潰瘍性大腸炎の食事療法①
発症から退院までに42kgまで体重減少した夫。
退院後に必要になったのは食事療法でした。
とはいっても
今までと変えなきゃいけないことはなに?
何に気をつければいいの?
食べちゃいけないものはあるの?
とにかく0からのスタートです。
潰瘍性大腸炎の食事療法
〜何を心がける?〜
1. 低脂肪食
腸管安静を保つには脂肪を制限することが大切です。
- 脂肪は腸管の蠕動運動を刺激
- 脂肪の消化に必要な胆汁酸が再吸収しきれず腸管に刺激を与えると、下痢や腹痛の原因に
- UCの脂肪摂取量の目標は40g/日未満
2. 高エネルギー食
炎症による必要エネルギーの増加する上、粘膜の治癒にもエネルギーを必要とするため、高エネルギーが必要となります。
脂質でエネルギー摂取は上記の通り好ましくありません。
- 主食の米や餅、麺は比較的安全で効率の良いエネルギー源
- 主食が食事の6割程度を占めるのが理想
ちなみに夫はお酒が大好きです。毎日呑みます。お米は一番最後派です。
体力が落ちているときはお酒とおつまみだけで、お米にありつけず疲れて寝てしまうことが多々あります。
どうにかお米に辿り着かすこと、無理そうな日はおつまみで何とかお腹に優しくエネルギーが摂れるものを出す必要があります。
その工夫についてはまた後の記事で書きたいと思います。
3. 低刺激食
ここでは食物繊維についてです。
食物繊維は水溶性、不溶性に分けられます。
- 水溶性食物繊維を積極的に摂る
・便の水分を吸収し、下痢を軽減
・胆汁酸(腸管を刺激)吸着能
・大腸粘膜のエネルギー源になる
水溶性食物繊維って何がある?
りんご、バナナ、桃、芋類、キャベツ、大根
- アルギン酸 ネバネバ系で傷を治す効果あり
昆布、わかめ、めかぶ
- ガム質
大麦、オーツ麦など
こんにゃくの原料(こんにゃく自体は不溶性)
- 不溶性食物繊維は活動期は避ける
・胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸管を刺激して蠕動運動を活発にさせる。腸管への刺激が強く、下痢や腹痛の原因になりやすい(便秘の人の味方)
不溶性食物繊維って何がある?
大豆、ごぼう、小麦ふすま(小麦の外皮部分=ブラン)、穀類、豆類
- ヘミセルロース
大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀類
- リグニン
ココア、小麦ふすま、穀類、豆類、完熟野菜
- キチン
きのこ、甲殻類のから
4. 食品添加物を避ける
現代の生活で食品添加物を摂取しないというのは難しいですが、気にしてある程度避けることはできます。
特にUCへの関与が疑われているのが増粘剤(カラギナン)
増粘剤は15品目ほどあり、1品目のみ添加した場合は品質表示に記載する必要がありますが、2品目以上の場合はその必要はありません。
そのため、ただ「増粘剤」だけ書いてあるものは、カラギナンも含まれるかもしれないということです。
EUや米国では既に使用禁止の流れになっていますが、日本ではまだ一部の自治体や業者が自主的に使用を控えるに留まっています。
さて、気をつけるべきは
- 脂質が高いものを避ける(40g/日未満)
- エネルギーは主食で6割とる
- 水溶性食物繊維を摂る
- 食品添加物を避ける
ということがわかりました。
次の記事では具体的なカロリー設定や料理の必需品「油」について書いていきたいと思います。